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嫌われたくないと思った時点で、多分嫌われている。

愚痴とか、希望とか、思い出とか、好きな物とか、そんなものの寄せ集め。テリーヌみたいなもん。違うか。

うんことサラリーマンの話。

思い出

よっしゃー!

暗い話書いてしもたから、次はうんこの話かくんや!

細かい事言うたらうんこの話というよりもうんこ成分をまき散らすサラリーマンに気をつけろって話や!

 さて。

この前電車に乗っていたら、

僕の前に一人のサラリーマンが乗りこんできた。

僕は奥さんと並んで立っていて、そのサラリーマンは丁度僕の目の前に立った。

車内は満員ではないがある程度混んでいて、

僕とそのサラリーマンの距離はちょうどキティちゃんと同じくらい離れていた。

林檎5個分。

 

で、僕は携帯を見ながらつり革につかまっていたんだけれど、

ふとそのサラリーマンの動きが気になって。

だってそのサラリーマン、かゆいのかなんなのかわかんないけど、

急にズボンの中に手を突っ込んで尻をかきだしたんだもん。

 

で、僕はこう思った。

「うわ、尻かいとる」と。

そりゃそうだ。だって尻かいてたんだもん。

 

で、まあそれだけなら僕ぁ文句言いません。誰だって尻が痒いこともある。

でもそのサラリーマン、その尻をかいた手でつり革につかまった。

がっつり。

サラリーマンの指についた尻成分がつり革に移った瞬間を僕はこの目でみたのだ。

当然僕ぁそのサラリーマンの行動から目が離せなくなった。

こいつの尻成分が僕たち家族に付着する事だけは防がなければならない。

これは、パンデミックの前兆だ、と。

 

で、僕が監視を始めて50秒後に、更なる悲劇の現場をみることになった。

つり革をつかんでいたその手が、また尻の方向へ向かっていったのである!

これは、また尻細胞が電車内に噴霧されてしまうのか!と身構え、手の行方を見ていると、

サラリーマンの手はベルトを通過し尻にたどり着いた。

身構える僕を無視するように、手の先が尻を超えてさらに奥まで侵入していく。

 

そう、穴だ。

 

彼の指先は、穴へ到達していた。


穴へとたどり着いた彼の左手の指は、穴をなだめるような、もしくは愛でるような動きを繰り返していた。

簡単に言えばギョウ虫検査の時みたいに、尻の穴あたりをグリグリするあの感じ。


ここまでくるともう前兆ではない。

パンデミックだ。


僕はそのサラリーマンから距離を取ろうと思ったが、彼の次の動きを見て体が動かなくなった。


尻の穴を愛でた左手はズボンから抜き出され、またつり革へと向かっていく。

尻の穴成分が車内に撒き散らされる。もし細菌を裸眼で見ることができる人間がいたとすれば、彼の左手の人差し指と尻の穴成分は、煌めくハレー彗星とその尾のように見えたことだろう。


しかし問題はそこではない。

いや、充分に問題なんだけれどもね。


そのサラリーマンはその左手を手すりに持っていくかと思いきや、いきなり自分の鼻の穴に持って行ったのである。

「穴to穴」

この時点で穴という漢字がゲシュタルト崩壊していることでしょう。

でもまだ続きます。


彼は、自分の尻の臭いを嗅いでいるのです。

電車の中で。

こんなもん、ワキガよりタチが悪い。

ここでこそ、この言葉が役に立つのでしょう。


「家でやれよ」


ね。尻の穴の臭いを嗅ぎたいなら家で嗅げよ。電車の中ですんなよ。そもそもなんで電車の中で尻の穴愛でて臭いかいでんだよ。臭い、皆伝、だよ。


つって。

僕はそのまま棒立ちで、その地獄の光景を見続けていました。


しかしそれでおわりません。

そうです。ご想像の通り、穴から穴へと飛び回ったハレー彗星は、そのままつり革へと向かうのでした。

結局、その後3駅ほどのあいだに、穴to穴withつり革が4度ほど繰り広げられたのを見てから今日に至るまでのあいだ、

僕はつり革には一度たりとも触れていないのでした。