読者が減ったのもソーセージの皮が破れたのも全て手荒れのせいにしておく。
ソーセージのブログのつもりが最近ソーセージを作っていないのでソーセージについて書いていないのはおろか、うんこを漏らしただどうだかなどのほんとうにどうしようもない文章を書いてしまった。
果たしてそれが原因かどうかは分からないが、先日書いたうんこの記事はびっくりするくらいに読まれず、2日間のアクセス数がわずかに「3」という、世界のナベアツにくらいしか反応してもらえない数字になっていた。
しかしよくよく考えてみると、それは本当に驚くぐらいにあたりまえの事で、そもそもだれも僕のうんこ事情に興味などあるはずがなく、かつこのブログを読んで下さる方はソーセージについて何か知りたかったりするだろうから、あんな文章を書いても読まれる数が減ってしまうのは当たり前だ。
しかしソーセージの話が出来なかったのは、全て手荒れが酷くなってきたことが原因である。手や指が痛いため、ソーセージが作れなかったのだ。そしてそれ故に下記のような循環が生まれてしまった。
手が痛いからソーセージがつくれない。
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ソーセージが作れないからソーセージにかかる文章がかけない。
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ソーセージの文章が書けないからうんこの話を書いてしまう。
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うんこの話を書く事で読者が離れてしまう。
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読者がいなくなったストレスで手が荒れてしまう。
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手が痛いからソーセージがつくれない。
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ソーセージが作れないから時間が余って自慰ばかりしてしまう。
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自慰に時間をかけすぎて文章を書く時間がない。
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記事の更新頻度が遅くなって読者の方がいなくなる。
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読者がいなくなったストレスで手が荒れてしまう。
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自慰出来ないほどに手が荒れ、ブログを書くしかないけれどもネタがない。
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なのでやはりソーセージ作りをするしかない。
ということで、初心に返りソーセージ作りをするしかないと思い、自分の手を見つめた。
パリパリに荒れた感じがなかなかにいい塩梅で、俗にいう働き者のいい手をしていた。これで土埃でもついていようものなら、風の谷のお姫様にだって褒めてもらえるだろう。
しかしいくら姫様が褒めてくれたところで、僕の巨神兵が大きくはなっても読者は戻ってこない。荒れ狂った王蟲と同じように、読者というものも一度離れていくともう離れっぱなしなのだ。
だからといって文章を書かないとなると、その先は異形の蟲すら近寄ろうとしない腐海しかない。
なので文章を書くのを諦めるには早すぎる。あのアルスラーン戦記だって完結するのに30年かかったのだ。
最終巻、とても楽しかった。僕はそんなに深い田中芳樹読者ではないのだけれど、もう感涙。また一巻から読み返したい。読み返す。
そんなこんなでまた適当な文章を書きながらソーセージを作る心づもりなのだけれど、そういえばソーセージ作りのサイトに良く見かける記述に良くある「肉の鮮度」についていくつか書いておきたい。
ソーセージで使う肉は結着をよくする為に、鮮度の高いものを選びましょう。そのために出来るだけ信頼のおける精肉店にお願いし、よい肉をミンチにしてもらいましょう。その新鮮なミンチを手早くミキサーでエマルジョン化しましょう。
とまあ、どんなブログを読んでもこんな感じで書いてある。
しかし、このハードルが高過ぎる気がしてならない。
まず鮮度の高い肉、というのがよく分からない。
ドリップ(肉汁)が出ている出ていない、肉の色が良いか悪いくらいはなんとなく分かる。
しかしそれ以上の判断は素人では無理な気がする。
僕が普段よくいくスーパーでは、カナダ産と書かれた豚肉と国産豚肉、ブランド豚肉が仲良く並んでいるのだけれど、パッケージに書かれている文字以外でそれらを見分ける事ができるかどうかと言えば、まず出来ないし、鮮度なんてもってのほかだ。
というより、元来人見知りである僕はスーパーの店員に話しかける事が出来ない。
であればネットで見分け方を調べるしかないと思って確認すると、豚肉はピンク色がいい。脂との境目がはっきりしているのがいい、などと書かれていた。
なるほどと思って肉の並んでいる陳列棚を思い返してみたのだけれど、全部ピンク色だし全部境目がはっきりしていた気がする。
というかそもそも、スーパーでピンク色以外の豚肉を見た事がない。
最近やっと小林薫と奥田瑛二の見分けができるようになったくらいの僕に、いい肉の見分けなんて高尚な作業はできないのだ。
となると、その精肉店もしくは販売店がどのような商品を出しているかの判断になるけれど、それは消費者にどうこうできる問題ではない。
だからこそ次に書いていた「信頼できる肉屋さん」という項目が重要になるのだけれど、これがまさに鬼門である。なぜならば、信頼出来る肉屋とはどういう肉屋なのかが書かれていないからだ。
これもまたネットで「信頼」と調べてみると「信頼とは、信じて頼る事だ」みたいな、その言葉を分解して解説しただけの言葉が出てきた。しかしそんなものは調べなくても分かる。
というか使われている漢字を説明するだけなら、漢字を使った言葉の殆どがそれで解決してしまうではないか。
それに倣えば肉塊とは肉の塊の事で、肉棒は肉の棒の事だ。そんなことでいいのなら、漢字で書かれた人名だって解説出来てしまう。
米良美一は良い米の中でも際立って美しい一粒の事で、上戸彩は戸の上を彩るもの、すなわち正月飾りの事であるし、曙太郎に至っては曙の太郎である事だ。
なので、いまいちよく分からない解説ブログに頼る事なく、僕は僕の道を行こうと思う。
『新鮮な肉が良く結着する。その為に信頼の出来る肉屋を見つける』
信頼出来る肉屋が見つけられない今の僕には、この単純なことが出来ないので逆に新鮮でない肉を綺麗に結着させるにはどうすべきなのか、ということを調べる事にした。
するといくつかのPDFデータに辿り着いたので、抜粋する。
肉は約75%の水分と,約20%の筋肉タンパク質,約5%の脂質,炭水化物類,可溶性非タンパク態物質,ビタミン類等からできています。水以外,大部分がタンパク質ですので肉がタンパク食品と呼ばれるゆえんです。
筋肉タンパク質の中で,約60%を占めているのが塩溶性の筋原線維タンパク質で,主にアクチン,ミオシン,アクトミオシンが含まれており,保水性,結着性との関係に重大な役割を演じています。次に約30%を占めているのが筋漿タンパク質で,主なものは解糖系酵素ですが,色素タンパク質であるミオグロビン,ヘモグロビン等も含まれています。残り約10%は結合織タンパク質で,コラーゲン,エラスチン,ミトコンドリア等組織の支持や結合等,肉質の硬さ等に関係しています。
塩溶性の筋原線維タンパク質は,添加した塩の作用によってミオシンが抽出され,塩漬肉は高い粘度を帯びてきます。とくにと畜直後の肉にはATP(アデノシン3リン酸=筋肉の弛緩,収縮等を司る物質)が存在していまずので,その働きによりアクチンとミオシンは別々の状態にあって,ミオシンは効率良く抽出されてきます。しかし,時間の経過とともにアクチンとミオシンは結び付き,アクトミオシンという形で多く抽出されてくるようになり,ミオシンの抽出は少なくなってきます。抽出されたミオシンは時間の経過と共に不安定となり,また,温度に弱く約20℃以上になると変性し,結着効果が失われてしまいます。ソーセージを作るとき,保水,結着を重視する目的で,と畜直後の温かい肉を用いたり,チョッパー,カッター使用の時,肉温上昇防止のため,砕氷を添加するのも,これらの理由の一部なのです。
どこの誰が書いたのかすら良くわからない文章なのだけれど、これを端的に説明すれば
「肉全体の中の20%を占めるタンパク質の中の60%にあたる塩に溶けるタンパク質の中にあるミオシンが塩と繋がると粘度があがる」ということである。
それをもっと簡単に言えば「塩を多く使えば、肉は繋がる」ということである。
もう1つ、別の文章では、
鶏肉の加熱ゲルは,豚肉および牛肉の 加熱ゲルと比較して,いずれの塩分濃度でもゲルの収縮が ほとんどなく,塩分濃度が増加するにつれて保水性が増し, 2%以上で弾力性があるゲルになることが分かった.一方, 豚肉の加熱ゲルは,塩分濃度が 1%以下では,硬く,弾力 性がなく,塩分濃度が上がるにつれ保水性が増し,柔らかくなることが分かった.牛肉の加熱ゲルは,塩分濃度が上 がるにつれ収量が増加するが,塩分濃度に対するゲルの硬 さの変化は小さかった.従って,塩分濃度に対するゲル強 度の変化は食肉の種類によって異なるが,いずれの食肉も 塩を添加することにより肉汁の溶出を防ぐことが可能であ ることが分かった.
とあった。
という事は、1%だけの塩では豚肉は柔らかくも弾力が増えもせず、それ以上にすると柔らかくなって弾力も増えるし肉汁も出にくくなるということである。
しかしこの塩のパーセンテージというものは以外と侮りがたい。
夏。
暑い最中に高台から海に勢い及んで飛び込むことを想像してほしい。
海水が鼻の穴、耳の穴に口腔と、顔にある穴という穴に入りこんで
「え、ちょっとまてt!口の中!めっちゃしょっぱp!ごぼごb!ウが!っぺ!」
となるだろう。
なので海水はとても塩分が濃いようにおもうけれど、実際には3%位の塩分濃度でしかない。
食事として使う為の豚肉に、それほどのしょっぱさを感じる量の塩をぶっ込むのは狂気の沙汰というほかないので、1%以上3%以下というのが基準であり、ちょうど真ん中で2%くらいの肉がやはりいいのではないか。という結論におちつくだろう。
ここまで調べていくと、そんなにも鮮度のいい肉ではなくても、2%の塩をぶっ込めばある程度結着してくれるのではないだろうか、というのは想像できる。
しかし。
もう一度引用した文章を読んでみると、
抽出されたミオシンは時間の経過と共に不安定となり,また,温度に弱く約20℃以上になると変性し,結着効果が失われてしまいます。ソーセージを作るとき,保水,結着を重視する目的で,と畜直後の温かい肉を用いたり,チョッパー,カッター使用の時,肉温上昇防止のため,砕氷を添加するのも,これらの理由の一部なのです。
と最後に書いてある。
すなわちこれは、新鮮な肉を使う事でより結着率が上がるということであり、古い肉はどれだけ塩をぶっ込んでも塩と繋がるミオシンが少ないから結着しにくい、ということだ。
となると一番いいのはどれだけ新鮮な肉を手に入れるかということであり、その為にどうすべきかを考えるべきである。
まず肉をおいてある場所。それは肉屋である。
↓
しかし、肉の鮮度を見分けることはできない。
↓
であれば、信頼のおける肉屋で肉を買うしかない。
↓
そのためには、信頼のおける肉屋を探すほか無い。
いったいこれはどういう事だろう。
新鮮な肉を手に入れなくても美味しいソーセージ作りができるような方法を調べた結果、信頼出来る皮肉屋を探すべき、という結論が出てしまった。
こんな不条理なことがあってもいいのだろうかともおもうが、結局はそういうことなのだろう。世の中の全ては巡り巡って同じ場所に戻るのだ。
僕の好きなマンガに、宇仁田ゆみさんが書いた「スキマスキ」という作品がある。
手元にその本がなくてうろ覚えなのだけれど「人は隙間をこじあけてきて生まれるから、隙間に戻りたがる」的な事を書いていて、なるほどなと感じた事を思い出した。
ちなみにではあるが、「信頼」を別の辞書、大辞林第3版で調べてみると、
〔類義の語に「信用」があるが、「信用」はうそや偽りがなく確かだと信じて疑わない意を表す。それに対して「信頼」は対象を高く評価し、任せられるという気持ちをいだく意を表す〕
との注釈があった。
となると、別にどんな肉屋でもいいから「高く評価をして任せた」と思えたならそれは信頼したとなる。
優しさに包まれたならユーミンで、任せたと思えたなら信頼。
遠い回り道をしてしまったが、至極簡単なことだ。
という訳で、僕は手軽に寄れる場所にあるという理由から、近所の業務スーパーの精肉部の人を勝手に信頼し、そこで豚肉を買おうと決めた。それ以外にもここを信頼しよう決めた理由はある。
とにかく安いからだ。特に安い日などは、グラム当り85円の時だってある。そんな安く肉を売れる=沢山仕入れられる=仕事ができるということにならないだろうか。いや、なる。
それだけの仕事ができるのだから、信頼に値するだろう。
とまあごちゃごちゃかいたのだけれど、飽きてきたので肉に関するあれこれはこれで終わります。
で、先日意識して肉を古くしたのだけれど、そこまで新鮮な肉を使わなくても、全体量の2%程度の塩を使って低温であることを意識して作業すれば、ある程度結着してプリプリとした食感になったので、あまり鮮度は気にしなくていいと思います。
例えばバラ肉は細かくカットしてから半冷凍にするとか、そういうことをすれば一応ソーセージはできます。
ただやはり結着しにくいがゆえにミキサーを長めにかけることになるので、肉の温度上昇に気をつける(出来るだけ肉を常温にしないとか、調理器具を冷やすだとか)のは大切です。
あと、必然的にミキサーに長くかけることになるので、エマルジョン化しすぎて食感がカマボコみたいになって物足りなくなります。なので粗挽きの肉を最後に混ぜるだとかの対処が出来れば、なかなかいいものが出来ると思います。
そんな感じで週末にソーセージを作りました。
ちなみに今回はどれだけ使う食材をシンプルにするか、という挑戦をしたので、以前ここに書いたレシピとは違うけれど、成功点、失敗点と合わせて記しておきたいと思う。
材料
・豚こま肉 550g
・豚バラ肉スライス 750g
・塩 26g
・セージ 5g
・粗挽きコショウ 4g
・ナツメグ 2g
・隠し味 2g
・白ワイン 150cc
・氷 6〜7個
成功点
新鮮な肉かどうかは分からないけれど、買ったその日ではなく次の日に調理をしたにも関わらずきちんと結着したので食感はよかった。
以前作ったものと比べ、玉ねぎにんにくが入っていないのでパンチが弱く感じ、甘みも少なく感じたが、これはこれでとてもいい感じの味わいになった。隠し味が本当に隠れ、かつ食材の底上げになっていたからだと思う。
冷蔵庫で吊るしながらの一晩乾燥は必須。これだけで皮がいい感じになる。
燻製用の段ボールを新調したのが使いやすくなっていた。
失敗点
豚バラはブロックではなくスライスを使ったので粗めに切っても粗挽き感が出なかった。
塩味のばらつきが少し気になった。小分けしてエマルジョン化させたので、その後の混ぜ合わせが足りなかった。
羊腸の扱いの際に気を抜きすぎた。調子に乗っていた証拠。ほどくのに1時間以上かかってしまった。僕の馬鹿。
羊腸をほどく為に触りすぎたのか、作業スペースが少なすぎたのか、肉を詰めた後、ねじり成形の際に腸の破れが多かった。これは要注意。4m全てをいっきに成形しようとしたのが敗因。まず2m×2にしてからまとめるようにする。
ざっくりと書くとこんな感じでした。
でもやっぱり、ソーセージ作りは楽しい。
以下、適当な画像。
スパイスは先に全部合わせておくと混ざりがいい。次からは塩も水で溶かしてから混ぜようかな。
ミンサーに入れる前に包丁で小間切れに。この時に手を抜くとミンサーにスジが詰まって肉が出てこず、めっちゃイライラする。
バラ肉はスライスの物をつかうより、やっぱりブロックを使った方が美味しかった。
半冷凍くらいの状態で使うのがやはり勝手がいい。
写真がぼけて色も赤いけれど、実際はもっとピンク。
冷たいのを我慢してまぜまくる。
この状態にする為に、羊腸と一時間以上格闘。塩抜きする前、水に漬ける前にほどいてから、棒状の何かに丸めなおしてから水につけておくとやりやすい。これは今度画像付きで書きたい。
腸詰めまではうまくいったのに、ここからの成形で破裂多数。8割くらいの詰めだったけれど、絡まった羊腸をほどくために弄りすぎて皮が破れやすくなったのかもしれない。
こんな感じで、ソーセージを作っています。
あ、台所はきちんとアルコールで消毒しような!僕は肉が触れる度にスプレーを使うぞ!お腹壊すのはいやだぞ!お兄さんとの約束だぞ!
そんな感じで。